ISO9000シリーズ(品質マネジメントシステム)

「ISO9000シリーズ」(品質マネジメントシステム)とは何でしょうか?
目次
ISO9000シリーズとは
「ISO9000シリーズ」は、「品質マネジメントシステム」(QMS:Quality Management System)と呼ばれています。
「品質関係」の国際規格です。
「製品」の規格ではなく「マネジメント」の国際規格です。
管理や仕組みの国際規格ですね。
「ISO9000シリーズ」は、「ISO9000シリーズ(ファミリー)」の規格です。
1986年から1990年にかけてISOによって制定されました。
現在では、「2015年」が最新です。
「品質マネジメントシステム」とは
「品質マネジメントシステム」は、「ISO9000:2015」の「基本及び用語」では次のように定義されています。
「ISO9000」の後ろの「2015」が作成された年度になります。
最初の(3.5.4)などの番号は、「ISO9000:基本及び用語」の区分(分類)ナンバーになっています。
3.5.4 品質マネジメントシステム(quality management system)
「品質マネジメントシステム」とは、
「品質(3.6.2)に関する,マネジメントシステム(3.5.3)の一部。」
と定義されています。
よくわかりませんね。
「品質(3.6.2)や「マネジメントシステム(3.5.3)」が以下のようにi別途説明されています。
3.6.2 品質(quality)
「品質(3.6.2)」とは、
「対象(3.6.1)に本来備わっている特性(3.10.1)の集まりが,要求事項(3.6.4)を満たす程度。」
です。
それぞれの説明です。
- 3.6.1対象(object),実体(entity),項目(item)
認識できるもの又は考えられるもの全て。
例 製品(3.7.6),サービス(3.7.7),プロセス(3.4.1),人,組織(3.2.1),システム(3.5.1),資源 - 3.10.1特性(characteristic)
特徴付けている性質。 - 3.6.4 要求事項(requirement)
明示されている,通常暗黙のうちに了解されている又は義務として要求されている,ニーズ又は期待。
3.5.3 マネジメントシステム(management system)
「マネジメントシステム(3.5.3)」とは、
「方針(3.5.8)及び目標(3.7.1),並びにその目標を達成するためのプロセス(3.4.1)を確立するための,相互に関連する又は相互に作用する,組織(3.2.1)の一連の要素。 」
です。
それぞれの説明です。
- 3.5.8 方針(policy)
<組織>トップマネジメント(3.1.1)によって正式に表明された組織(3.2.1)の意図及び方向付け。
- 3.1.1 トップマネジメント(top management)
最高位で組織(3.2.1)を指揮し,管理する個人又はグループ。 - 3.2.1 組織(organization)
自らの目標(3.7.1)を達成するため,責任,権限及び相互関係を伴う独自の機能をもつ,個人又はグループ。
- 3.1.1 トップマネジメント(top management)
- 3.7.1 目標(objective)
達成すべき結果。 - 3.4.1 プロセス(process)
インプットを使用して意図した結果を生み出す,相互に関連する又は相互に作用する一連の活動。
「品質マネジメントシステム」は、「広義の品質管理」になります。
ISO9000の中の「品質管理」とは
「ISO9000」の中の「品質管理」は、昔は「狭義の品質管理」と定義されていましたが、現在は、「組織」などが入っていますので「広義の品質管理」に近くなっています。
以下のように定義されています。
3.3.7 品質管理(quality control)
品質要求事項(3.6.5)を満たすことに焦点を合わせた品質マネジメント(3.3.4)の一部。
それぞれの説明です。
- 3.6.5 品質要求事項(quality requirement)
品質(3.6.2)に関する要求事項(3.6.4)。 - 3.3.4 品質マネジメント(quality management)
品質(3.6.2)に関するマネジメント(3.3.3)。
- 3.3.3 マネジメント,運営管理(management)
組織(3.2.1)を指揮し,管理するための調整された活動。
- 3.3.3 マネジメント,運営管理(management)
「品質マネジメントシステム」も「品質管理」も、わかりにくいですね。
「ISO9000シリーズ」は、本来は英語です。
それを、日本語に翻訳しています。
それで、わかりにくいのかも知れません。
ISO9000シリーズの構成
「ISO9000シリーズ」は次のような構成になっています。
重要なもののみ説明を入れています。
「ISO規格ナンバー」別に「名称」を列挙しています。
ISO9000:QMS(品質マネジメントシステム)-基本及び用語
品質マネジメントシステムの基本を説明し、また品質マネジメントシステムの用語を規定している。
ISO9001:QMS-要求事項
組織が顧客要求事項及び適用される規制要求事項を満たした製品を提供する能力をもつことを実証することが必要な場合、並びに顧客満足の向上を目指す場合の品質マネジメントシステムに関する要求事項を規定している。
ISO9002:QMS-ISO9001の適用に関する指針
ISO9004:QMS-組織の品質―持続的成功を達成するための指針
パフォーマンス改善の指針は,品質マネジメントシステムの有効性及び効率の双方を考慮した指針を提供している。
この規格の目的は、組織のパフォーマンスの改善、並びに顧客及びその他の利害関係者の満足である。
ISO10005:QMS-品質計画書の指針
ISO10006:QMS-プロジェクトにおける品質マネジメントの指針
ISO10007:QMS-構成管理の指針
ISO10001:QMS-顧客満足-組織における行動規範のための指針
ISO10002:QMS-顧客満足-組織における苦情対応のための指針
ISO10003:QMS-顧客満足-組織の外部における紛争解決のための指針
ISO10004:QMS-顧客満足-監視及び測定に関する指針
ISO10008:QMS-顧客満足-企業・消費者間電子商取引の指針
ISO10009:QMS-品質ツール及びその適用に関する指針
ISO10010:QMS-組織の品質文化-持続的成功を達成するための指針
ISO10012:QMS-測定プロセス及び測定機器の要求事項
ISO10013:QMS-文書化した情報に関する指針
ISO10014:品質マネジメント-財務的及び経済的便益を実現するための指針
ISO10015:品質マネジメント-力量マネジメント及び人々の能力開発のための指針
ISO10017:ISO 9001:2005 のための統計的手法に関する指針
ISO/TS10020:品質マネジメントシステム‐組織の変更マネジメント‐プロセス参照モデル
ISO10018:品質マネジメント-人々の参画に関する指針
ISO10019:品質マネジメントシステムコンサルタントの選定及びそのサービスの利用のための指針
ISO19011:マネジメントシステム監査のための指針
たくさんありますね。
この中で、一番重要なのが「ISO9001」です。
「ISO9001」規格が「品質マネジメントシステム」(QMS)の認証取得の対象になります。
「ISO9001」には、「要求事項」があります。
認証を取得するには、この「要求事項」に適合することが必要になります。
●参考ページ
●「ISO/ISO9000s」の関連ページです。
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