品質管理の基本的な考え方
品質管理の「基本的な考え方」について説明します。
「品質管理」を実践してゆくには、まず、「品質管理」の「基本的な考え方」を理解する必要があります。
「品質管理」は、品質管理をおこなう部署、品質管理部や品質保証部だけでおこなうのではありません。
企業の全部署でおこなってゆきます。
そのため、品質管理の基本的な考え方は、企業で働く全員が理解する必要があります。
「品質管理」には、次のような基本的な考え方があります。
非常に重要です。
- 品質第一
顧客は、提供する製品やサービスが良くなければ購入しません。
顧客は、製品やサービスの「品質を第一」に考えています。
当然、企業でも、全員が「品質を第一」とした考え方で、品質管理を推進する必要があります。
- 顧客志向
製品やサービスがお客様に満足して頂けるかどうかが非常に重要です。
お客様のことを第一に考えることが大切です。
お客様を最重要視する考え方を「顧客志向」とか「マーケットイン」「お客様が第一」などと呼んでいます。
- 後工程もお客様
「顧客志向」を、自分の仕事に発展させたときはどうなるでしょうか。
自分の仕事の後を引きついで行く人が自分の「顧客」になります。
次の工程の人を「後工程」と呼び、「後工程」の人に喜んで頂ける仕事をすることが重要になります。
つまり、「後工程もお客様」という考え方で、皆が仕事をすればよい結果に結びつきます。
- プロセスを管理する
製品の品質だけではなく、その製品の品質が常に良いものが生み出せるように、その「プロセス」(過程、仕組み)に着目することが重要です。
商品やサービスの結果が悪いということは、その結果を生み出している「プロセス」に、問題があるということです。
「品質を工程で作りこむ」という考え方が重要です。
「プロセスを管理する」ということは、設計、部品や原材料、製造工程などの
プロセスや仕事のやり方に着目して管理し改善させていくことです。
- 重点志向で問題・課題に取り組む
品質管理活動をおこなう場合、問題全部に対して改善の対策を打つのは効率的ではありません。
経営資源は限られています。
「優先順位」を明確にして、大きいものから、改善活動などをおこなってゆきます。
「重点志向」と呼んでいます。
「QC七つ道具」の「パレート図」などを使用して重点志向すべき内容を把握することができます。
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- 事実に基づく管理
品質管理は、「事実」を重視します。
事実情報を入手し、判断して行動します。
必ずデータを収集し、統計的方法を使用します。
統計的方法の代表的なものが「QC七つ道具」です。
●参考ページ
- 管理のサイクル
「管理のサイクル」は、「PDCAのサイクル」とも呼んでいます。
品質管理の「管理」は次の「PDCA」を回すことです。
- 計画(Plan)= P
- 実施(Do) = D
- 確認・評価(Check) = C
- 修正・処置・対策(Action) = A
であり、これを繰り返し回すことにより、改善してゆくことです。
●参考ページ
- 計画(Plan)= P
- ばらつきの管理
製品やサービスは「ばらつき」が発生します。
「ばらつき」が小さい場合には問題がありませんが、大きくなると重大問題が発生する可能性があります。
「品質管理」は、統計的手法を使って、この「ばらつき」を最小限にしてゆきます。
●参考ページ
- 変化点管理
プロセス及びその相互関係を迅速にかつ敏感に察知して、問題の発生を予防することを「変化点管理」と呼んでいます。
- 見える化
プロセスの状態を誰が見ても理解できる状態にすることが重要です。
その為には活動状況や結果を一目でわかる状態にします。
- 全員参加で取り組む
品質管理は、製造部など特定の部署や組織で実施するのでは、大きな効果は期待出来ません。
製品やサービスの品質は、企業全体の組織の一人一人の仕事で、PDCAのサイクルを回すことにより、効果は非常に大きくなります。
これらの品質管理の「基本的な考え方」を実践するために、いろいろな手法(ツール)や管理のやり方が考えだされました。
その他にも次のようなものがあります。
「源流管理」「再発防止」「標準化」「人間性尊重」などです。
●「品質管理の考え方」の関連ページです。
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